靖国
これほどの時間をかけ、これほどの経済的損失を与え、国民感情を破壊しながらも、まだ解決できない靖国問題がある。論調が「正しい」とか「正しくない」とかの次元では既に解決できないことを悟らねばならない。歴史上悲惨な宗教戦争は、常に正悪の基準から相手を裁くことの繰り返しであった。再度言うが、論調が「正しい」とか「正しくない」とかの次元ではもはや解決不可能である。相手が正か悪かという単純二分思考では解決できない問題としてしまった。つまり、解決の指針を一次元上げて、思考の次元を上段に移し考察しなくては解決できない。次元を上位に移すと解決できる方法は数学で用いられる解決方法である。
年齢
年齢を嘆く人は多いが、積み重ねてきた年齢に感謝する人は稀である。生かされている自分を見いだしたとき、年齢は感謝となる。人生のもっとも豊かな喜びが年齢を重ねることであることを悟ったとき、人として生まれた真の幸福を味わうことになる。時間の積み重ねとは、啓蒙された精神が次第に覚醒していくプロセスである。揺らぎなき幸福感を会得してゆくプロセスとも換言できよう。未熟なうちは視線が定まらない。しかし時間の累積は幸福への視線を定めてくれる役割を果たす。このプロセスにこそ、真に味わうべき静かな幸福がある。
21世紀
20世紀は戦争の世紀であった。それゆえ20世紀から21世紀に移りゆく瞬間には「21世紀は平和の世紀であるように」という切なる願いが世界中で語られていた。しかし現実はどうであろうか。21世紀はブロードバンド配信の世紀である。しかも戦争とテロの生々しい映像が世界中に瞬時に配信される世紀になりつつある。大容量、瞬時、検閲なしがその特徴である。最先端のIT技術と人間の残虐さが融合される世紀になろうとしている。どちらも人間の象徴ではある。
移民
近隣諸国との軋轢が継続している。為政者はこの解決指針を提示できるであろうか。グローバル化とはビジネス、IT、学問の世界では常識である。僅か100年ほど以前は、日本国内ですら様々な藩という偏狭な概念(当時は権威)により分断され内乱状態にあった。歴史は進歩する。「近隣諸国との軋轢」「人種差別」など、いかに前世代の負の遺物であるか。東京都の職員が人種の差を事由に昇進できなかったのは、今回の萌芽でもあろう。行政側の首長、その手下の発言を聞いていると、歴史から二周も三周も遅れている野蛮な原始人の傍若無人さを思わせる。
数千万人、数億単位での近隣諸国からの移民は、多面的な意味で歴史を前進させ、日本を繁栄させるであろう。日本のとるべき最良の政策がここにある。この点に気づいている為政者はいかほどいるであろうか。人種への概念などは、医学上のみにその形跡をとどめるくらいに、人間として進化してもらいたい。わずかばかりの国の借金(700兆)にオタオタする前に、歴史的視点で考察できる壮大な思考力が必要であろう。