非推移的エッジ
◎情報理論でトレードする
情報理論でトレードするとはどのような感覚か。
コンピュータプログラムはご存知の通り、0(電気が通らない)と1(電気が通る)の2進法で記述されています。画像も0と1の数字の羅列です。長い数字羅列が集積することにより一つのメッセージとなり、それを見た人間が、自分の大脳で解釈して、感情が発せられます。
マーケットも参加をすれば、+(含み益)と-(含み損)が随時発生します。大切なのは、全体としてどのようなメッセージになるかだと思います。2進法の「0や1」にいちいち感情がつけられないように、トレード上の「+や-」は画面上に点滅する記号ですので、これにいちいち感情は発生しません。シャノン流に言えばノイズに過ぎません。これが情報理論でのトレードです。
◎意思決定のための四原則(four principles for decision making:by ROBERT RUBIN)
1:唯一つ確かなことは、確実なものは何も無いということ。
2:結果としてのあらゆる意思決定は、確率を熟慮すべきである。
3:不確実性にも関わらず我々は決定し、行動しなくてはならない。
4:意思決定を判断するためには、その結果だけではなく、プロセスを考える必要がある。
ロバート・ルービン氏は、クリントン政権時財務長官。メキシコ通貨危機、アジア金融危機、LTCM破綻等難局時のブレーン。謙虚さと知性と実権をあわせ持つ稀有な人材。ハーバード大首席卒業後、ゴールドマンサックス共同会長。上記四原則の原文は以下
First, the only certainty is that there is no certainty. Second, every decision, as a consequence, is a matter of weighing probabilities. Third, despite uncertainty we must decide and we must act. And lastly, we need to judge decisions not only on the results, but on how they were made.
出典:http://www.upenn.edu/almanac/v45/n33/speeches99.html#rubin
日経225先物テクニカル分析
騰落レシオ(東一)は115で6/22(115.9)、4/10(116.5)に接近。週足ノーマル・ストキャスティクスは92%からのダイバージェンスで80%台での売りシグナル、スロー・ストキャスティクスは87%、RSIは75%、RCIは88%、26週移動平均は上向き、基準線と転換線は共に横ばい(全て週足)。
現在をN波動の上昇トレンド継続と仮定した場合の上値メド理論計算値(6/22~6/27を押しと見た場合)
V計算値:18790
N計算値:18560
E計算値:19030
上3平均:18793
仮定が正しければ、近日中に上記何れかの値を取りに行くことになる。取りに行けなければ、上昇トレンドとの仮定前提が誤り。
マーケットの名言
アーヴァインから少し海沿いに行ったエメラルドベイのバフェット家でブリッジの夜会があり、そのとき数学者夫妻はバフェット夫妻と会った。数学者はバフェットの関心の幅広さに驚いた。バフェットが非推移的サイコロという、数学者の関心の対象に触れて、二人は意気投合した。非推移的サイコロとは数学的な関心の的で、たいていの人の確率の考え方を混乱させる、一種の仕掛けサイコロだ。
その夜会を終えて、数学者は妻に、バフェットはいつかアメリカで一番の金持ちになると思うと言った。
ウィリアム・パウンドストーン『天才数学者はこう賭ける』青土社p192-3
(解説)早い時期から一流の人間になる資質を見抜ける鋭い洞察力が慧眼。その慧眼の士はいるものだという見本。日々、マーケットを情報理論として分析している当方にとっては、興味ある人類のワンシーン。マーケットは経済論で説くより、数学で解くほうが面白くかつ有益だろう。限りなく数学に近い経済学。