没頭する幸福
一生を通じ本当に好きなことに没頭することの幸福。
渡辺一夫先生の著作からは、学問そのものに熱中している気が立ち上っている。
字句から溢れるあの妖艶とも言える知性と学問への愛情、誠実さ、それらを融合した気は凄まじい。
痛烈な思いは、大江健三郎氏がノーベル賞を受賞され、興奮冷めやらぬ筆致で描いた受賞の辞が、渡辺一夫先生への賛辞に満ちていたことである。
両氏の気の交流は、傍から見ていても充分に観取できる。
鈴木大拙先生と西田幾多郎先生の友情にもそれはある。
諸橋轍次先生の大漢和辞典からもそれは感じられる。
圧巻という字句に到達する。
つくづく幸福な一生であったと思われる。
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