有為転変
昨日、
統計的アプローチの名言を紹介した。
私心のない岡目八目という視点は、
他者の言動を理解するのに好都合となる。
マーケットに保険業界というセクターがある。
この業界は世界中にあり、
多数の社員を雇い、
税金を支払い、
巨額の利益を恒常的に上げている企業群でもある。
この企業群の収益方法は、
単純に言えば、
統計的アプローチをして
定量的な利益を上げていることである。
特定のAさんという方が
見込み客としているとする。
この特定のAさんが、
いつ病気にかかるのか、
いつ怪我をするのかは、
保険会社と言えども、
正直なところ、
分からない。
人間とは、
その個人差は激しく、
若くて病気がちの方もいれば、
高齢で、
過酷なエベレスト登山に挑戦するほどの
物凄い体力のある方もいる。
つまり、
特定の個人の健康状態について、
その先の推移は、
専門職の保険会社でも分からない。
しかし、保険会社は、
着実に収益を上げられている。
なぜかといえば、
統計的アプローチを使っているから。
個々人の明日の動向は
誰にも分からないが、
十万人分のデータとなれば、
予測計算できる部分が必ず出てくる。
つまり、
ミクロ的な特定の個に特化するのではなく、
大きなマクロデータとして
扱っている。
保険会社は、
特定の個人がどうなるかに
ポイントを絞って仕事をしている訳ではない。
そのような考えは微塵も持たない。
そのような考えで経営すれば、
瞬く間に危うくなる。
常に
マクロデータの視点から
仕事を構築している。
それゆえ、
利益が恒常的に流入してくる。
と、ここまでは、
誰でも知っている話であろう。
しかし、個人投資家は、
この愚の轍を踏む方が多数派でもある。
自分のことになると
とたんに分からなくなる。
ミクロにこだわりすぎた結果、
トラップ=陥穽に、
何年も嵌っている方も多い。
マーケットの齎す幻想と
その魔力のために
思考が麻痺しているのである。
何のためにトレードをするのか。
ミクロを当てるためなのか、
それとも、
収益を上げるためなのか。
ミクロを当てる必要はなく、
収益が上がればよいのである。
以上は、他人のことならよく分かる
岡目八目的寓話でもある。
貿易統計速報
10月輸出
7.8%増
5兆7236億円
減速
伸び率
8カ月連続
鈍化
EU向け
11カ月ぶり
減少
貿易指数
数量ベース
前年比増加率
1ケタ台
鈍化
季節調整値
前月比マイナス0.0%
6カ月連続
減少
財務省
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-18326020101125
均衡成長
要因
人民元
弾力性拡大
世界経済
中国
プラス
ECB副総裁
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-18336120101125
マーケットの名言
マーケットで利益を上げるのに、
アインシュタインの発明した高度な公式は必要ない。
ただ、規律を守り、
自分に自信を持っていなければならない。
自分が大変優れたトレーダーだと思っていても、
マーケットはあなたを出し抜いて
その不屈の精神を試している。
マーケットの成功物語は
生き残った人たちにおいて
作られていることを
忘れないでほしい。
マーク・B・フィッシャー『ロジカルトレーダー』 パンローリングp233