パラダイムシフト
(大引け)
始値:13490 高値:13600 安値:13370 終値:13460
出来高微増両影迷いの十字形状は安値更新。高値は76日線に抑えられた。この位置で迷いの十字形状が出現するとは、下げ止まりの兆候ではない。例えば、3/4の日足に似ている。その時は、一旦は反発しているが。
国内景気減速鮮明:日銀短観4年9カ月ぶりの低水準
http://mainichi.jp/select/today/news/20080701k0000e020006000c.html
(ザラバ)
76日タームの一巡波動も終了間近。ここからはザラバ勝負となる。日経平均7月の累積過去データ月足は悪い。月次収益率の年間トータルでは9月に次いで悪い月。つまり、年間を通して二番目に上がりづらい月。今年の様に6月陰線の後、更に月足陰線が連続するケースも、2001年2002年などには過去例がある。
週足過去データで見ると、第三週(7/14~18)の数値が特に悪い。マーケットは常に先手先手を打ってゆかねばならない。この週になってからどうするか、ではなく、事前にそれに合わせたポジ取りが必要。目先の感情的場味に流されず、二重三重の先手を打てるようになりたい。
パラダイムシフト
一つの良い習慣を、持続的に繰り返すと、自分の考え方、感じ方が変化し、ある日新しい自分になったことに気づく。これが、内部的パラダイムシフト。自己の次元が一段階高くなった証拠。
マーケットの名言
虚しく往きて、実ちて帰る
空海
(解説)当時命がけの入唐を経験した空海の言葉。空海は質実剛健かつ実直な男だったに違いない。そんな気がこの言葉には籠っている。上記の文言は、実に良い文章だ。自己の内部を実直に見つめ、入唐体験が、それまでに無い充実した人間に向上させてくれたのだろう。その喜びが手に取るように分かる。充実感とは、味わった者にしか分からぬ人生の宝である。時代は少し離れるが、道元は類似の体験から、「柔軟心の他、何も学ばなかった」との言葉を残す。共通点は、いずれも新しいパラダイムに自己内部が進化したこと。このような屹立している文章を見せられると、一体、人間は進歩しているのだろうかといぶかる。後世へ誇れる文化が現代にあるのだろうか、と。
司馬遼太郎は、小説家らしい空想癖から、次のような別の視点を浮上させている。
空海の伝説といえば、最近、私の知人でどういう場合でも理性をうしないそうにない人文科学者が、話題が空海のことになると、自分は、つまり自分のような讃岐そだちの者にはとても空海を人として論ずることはできない、人以上の存在だと思ったときにはじめて気持ちが安らいで多少とも空海について語ることができる、と言った。それを聴いて私は息をわすれるような驚きをおぼえた。
司馬遼太郎『空海の風景・上巻』中央公論社p7